公安部 / 人物配置
佐野・鈴木・森田・上原の立ち位置
残る四人を置き直す
この記事には広告が含まれる場合があります。
公安部の序列を図に引き、和久井の位置を確認したのが公安部の組織図と和久井俊作です。ここでは野崎より上にいる二人と、まだ動いていない駒を扱います。
第17話で、鈴木祥はシンシーへ公安の会話を送っていた内通者だと分かり、拘束されました。いまはAIが鈴木を演じて連絡を続けています(AI鈴木は通用するのか)。和久井は妻への暴力が明らかになりましたが、内通の材料は第19話まで出ていません。
佐野雄太郎(坂東彌十郎)という位置
序列の上に戻ります。部下が別班拉致事件を主導していた。この事態において、直属の上司である佐野公安部長の立場は三つしかありません。
可能性1 知らなかった
もっとも平凡な線です。ただしこれを採ると、佐野は公安部長として無能だったという形です。歌舞伎俳優の坂東彌十郎を配してこの扱いは、考えにくい。
可能性2 知っていて泳がせていた
野崎の動きを把握したうえで、接触する人物や資金ルート、国外ネットワークを追跡するために泳がせていた、という推測です。公安の手法としては自然で、この場合、佐野は野崎の一段上の盤面を見ています。
この線なら、乃木が最終的に組む相手は佐野です。
可能性3 同じ側にいる
野崎の行動が公安部の組織的な意思だったという説です。この場合、別班を潰そうとしているのは野崎個人ではなく、公安という組織そのものになります。
これが最も『VIVANT』らしい。国家と個人の相克という第13話の主題に、そのまま接続します。野崎は裏切り者ではなく、別の忠誠に従っていただけ、という構図です。
ここで綿貫賢の存在が浮きます。可能性2でも可能性3でも、佐野には報告先があります。泳がせているなら誰の承認で泳がせているのか。組織の意思だとするなら、その意思はどの階級で決まったのか。公安部長の上には警視総監がいて、その外には内閣官房副長官がいる。野崎一人を裏切り者として処理して終わる話にはなりません。
なお佐野については、第1シーズンで乃木卓が公安部外事第1課の出身だと明かした人物であることが判明しています。この一点だけで佐野の位置づけは変わるため、専用の記事で詳しく扱いました。
鈴木祥は二度、情報の通り道に置かれている
役柄が早くから公開されていた鈴木祥は、目立たない位置にいます。ただし描かれ方には一貫性があります。
第1シーズンで鈴木は、野崎に頼まれて乃木の経歴を調べていました。そして留学先として記載されていた公立高校に乃木が在籍していなかったという報告を見落とします。
第12話では、野崎が部下を退出させる場面で、和久井を促して部屋の外へ連れ出す役を担っています。
重要な情報が鈴木の手を通り、そこで止まる。この形が二度繰り返されています。乃木の経歴のときは見落としとして、第12話は同僚を退出させる形で。
第13話では、野崎が佐野の部屋に入る際に鈴木がイヤモニを装着したという指摘もあります。この細部の扱いは佐野の記事に譲りますが、鈴木が一貫して情報が流れる場所に配置されていることは押さえておく価値があります。
鈴木のイヤホンは何のためか
鈴木祥は、第12話でも第13話でもイヤホンを付けた姿で画面に出ています。第15話で公安の部屋が丸ごと抜かれていたと分かったいま、この耳のほうも見ておく必要が出てきました。
読み方は二つです。一つは、盗聴に使われている側。本人が知らないまま、聞いている音がそのまま外へ流れている形。
もう一つは、聞かせている側。カメラの位置を知っていたからこそ、声を拾われる場面ではイヤホンで受けていた、という形です。
私は後者を採ります。第15話で分かったのは、外事第4課の3人がカメラの件を知らされないまま佐野の指示で動いていたことでした。知らされていない人間が、たまたま毎回イヤホンを付けている確率は低い。指示の出し方じたいが、部屋を信用していない形になっていたと考えるほうが自然です(乃木卓の過去、知る者は)。
森田喜一も並んだ
第11話で乃木の自宅を張っていたのは、和久井俊作と森田喜一の二人でした。演じるのは谷口翔太です。
第13話の放送後に更新された公式の人物チャートで、和久井俊作と森田喜一がそろって追加されました。どちらも野崎と同じ警視庁公安部外事第4課の所属です。同じ更新で、新庄を匿っていたチョッキーも加わっています。
裏切り者が判明した回の直後に、同じ課の人間を二人まとめて表に出す。公安部外事第4課という箱そのものを、視聴者に見せる段階に入ったということです。
野崎が抜けたあと、この課には和久井と森田が残ります。第11話で二人一組だった場面が、いま意味を持ち直します。あの日、野崎に乃木の自宅を張らせられていたのは誰だったのか。命令系統をたどれば、駒として使われた範囲がそのまま見えます。
上原史郎は、同じ人物と見てよい
VIVANT2は第1シーズンのラストシーンから直結して始まります。第11話では、ベキたち3人が上原の邸宅を襲撃した一件が上原家の火事としてニュースで報じられる場面もありました。演じる橋爪功も続投しています。
第1シーズンの上原史郎は、内閣官房副長官であり、40年前に公安部外事課の課長としてベキを見捨てた人物です。
そのうえで、この人物の置かれ方には引っかかりが残ります。襲われた側であり、政治の側にいる人物が、VIVANT2の人物表では公安の枠に並んでいる。被害者として整理されているなら、公安部の系統に置く必要はありません。
上原がVIVANT2でも警察組織に対して影響力を持っているなら、序列の図は縦一本では済みません。公安部長も警視総監も、政治の側からの要求を受ける立場になります。
ベキの復讐は第1シーズンで止められました。しかし止めたのは乃木であって、上原が何を隠していたのかは一度も検証されていません。40年前に脱出用ヘリを引き返させた判断は、この人物の中でまだ生きています。
東条翔太の再評価
第12話までの考察で、東条は最有力の裏切り者候補でした。部屋の飾りがウルトラマングッズから『タイガーマスク』に変わっていた点が根拠です。第13話でこの説は外れました。
しかし美術変更の説明は、まだ付いていません。『VIVANT』が意味のない変更を入れる作品でないなら、この飾りには別の役割があるはずです。
タイガーマスクの主人公は、素性を隠したまま孤児院に寄付を続けます。テントもまた、非合法の資金でバルカの孤児を救っていました。この重なりが東条を裏切り者に見せていました。ただし視点を変えるとこう読めます。
東条は、テントの理念を理解している人物。敵対者としてではなく、共感者として。物語の後半で乃木がテント側と再び向き合うとき、公安の中で唯一それを理解できる人間が東条だという配置なら、この美術変更は伏線として生きます。
加えて東条は、野崎が太田の身元を隠した相手でもあります。裏切り者が最も見せたくなかった人物。これは東条の重要度を、むしろ上げる事実です。
第17話で鈴木が確定した
- ジャミーンは公安外事第四課の写真に対し、和久井俊作には少しの嫌悪、鈴木祥には強い嫌悪を示した。別の場面で見せた山本巧には強い嫌悪
- 鈴木がシンシーへの内通者。イヤフォンは3年前の中国工作員が持っていたものと同型で、すでに拘束されていた
- 鈴木は警視庁近くの部屋で公安サイバー対策室と佐野宅を監視し、特定の語が出た会話を保存して、有効なものだけを送っていた
- 和久井は妻に暴力をふるっていた。シンシーとの接続は描かれていない
2人とも黒だと読みたくなる並びですが、私は和久井を内通者とは考えません。画面が出した説明は家庭での振る舞いまでで、そこで打ち切られています。
ただし白でもありません。第12話で最後まで通信画面をにらんでいた態度と、今回の暴力。この2つを1本にまとめる材料がまだ出ていないだけです(第17話で残された謎)。
公安部の配置から見える三つの立場
- 野崎の上には公安部長の佐野と警視総監の綿貫がいる。野崎一人を処理して終わる構造ではない
- 綿貫賢は警視総監。しかもその顔が出たのは、情報漏洩に関与しうる11人を割り出す画面だった
- 和久井俊作は2022年9月に外事第4課へ異動し、第12話の放送後に公式相関図へ追加された
- 第12話で和久井が不服そうにしていた場面は、裏切り者が人払いをした場面として反転する
- 野崎は和久井の端末で発信した。和久井は駒であり、同時に盾でもある
- 第13話後の人物チャート更新で和久井と森田がそろって追加された。外事第4課を見せる段階に入った
- 上原史郎は第1シーズンからの継続人物。襲われた側が公安の枠に置かれていることの説明はまだない
公安部の面々を公式で確認する
佐野・鈴木・森田・上原の役柄は、公式サイトの登場人物ページに掲載されています。相関図は放送の進行に合わせて更新されます。
画像の転載は行っていません。リンク先の公式ページでご確認ください。
配信情報
公安部の人物配置が分かる場面
公安部の人物は、名前が呼ばれずに画面にいることがあります。第12話の公安ルームの場面や、第11話のAIハヤトの画面は、判明後に見返すと印象が変わります。VIVANT2と第1シーズン全10話はU-NEXTで見放題配信されています。
関連する記事
- AI鈴木は通用するのか
- ジャミーンは善悪を見抜けるのか
- 奪還作戦は罠なのか
- 第17話の考察まとめ
- 第17話の詳しいあらすじ
- 第18話のみどころ
- 第15話の考察まとめ
- アディエルはなぜ戻ってきたのか
- 上原邸の火事で誰が死んだのか
- シンシーの狙いはジャミーンなのか
- 櫻井司令は本物なのか
- 長野専務・アリはシンシーの協力者なのか
- 野崎が入力した暗証番号は何なのか
- 薫とジャミーンは人質になるのか
- 第15話はどうなるのか 6つの筋で予想する
- AIハヤトの分析は信用できるのか
- 第14話の考察まとめ
- シンシーの狙いはフローライトなのか
- 野崎の動機は劉銘軒(リュウ・ミンシュエン)への弔いなのか
- 野崎の裏切りは乃木と同じ形なのか
- チンギスは第15話でどちらに付くのか
- 長野が「愛する人」を繰り返す理由
- 新庄は本当に死んだのか
- シンシーとは何か 樊林杏(ハン・リンシン)と中国公安部第六局
- 乃木は誰に報告していたのか
- 太田梨歩の俳優交代は伏線か
- VIVANT2、まだ答えが出ていない謎
- ポスターの英文は3年前の台詞だった
- 裏切りと噛み合わない描写
- 佐野公安部長は、どこまで知っているのか
- 野崎はなぜ別班を売ったのか
- 第13話ラスト、野崎はなぜ疑われたのか クーダンへの電話の意味
- ブルーウォーカーの描かれ方、どこかおかしくないか
- 最終話はどう終わる?
参考・出典
- シネマトゥデイ「『VIVANT』最新人物チャート公開」2026年8月10日(第13話後の人物チャート更新)
- 日曜劇場『VIVANT』公式サイト 登場人物・人物相関図
- 日曜劇場『VIVANT』第11話・第12話・第13話の放送内容
- デイリースポーツ「VIVANT 要人相関図に新掲載された人物」2026年8月9日(和久井俊作の相関図追加と経歴表示について)
- ORICON NEWS「“ゲーム界の巨匠”小島秀夫氏、『VIVANT』にサプライズ出演」2026年7月26日(綿貫賢の役職について)
- リアルサウンド「『VIVANT』が描く"国を守る"物語の危うさ」2026年8月9日
鈴木のイヤモニなど細かな動作については、放送後にSNS上で共有された指摘を手がかりにしています。個別投稿の転載はしていません。