VIVANT2 / 櫻井里美
櫻井司令は本物なのか
知っていた者、限られる
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第14話で、別班員5人を売ったのは野崎守だと確定しました。ただし引っかかることがあります。
拉致を実行するには、5人の素性と居場所と搬送先を同時に知っている必要がありました。その条件を満たす人間は、野崎だけではありません。
この記事の前提が外れました。拉致に必要だった情報は、別班の内側から出たものではありません。
第15話で、公安外事第4課の部屋にあった監視カメラ15個のボルトすべてに、シンシーのカメラが仕込まれていたことが判明しました。人を疑う必要はなく、部屋にいる全員が居るだけで漏らしていたことになります。
櫻井についても、なりすましを持ち出す必要がなくなりました。白と置く根拠は依然ありませんが、拉致の説明のために疑う理由は消えています(第15話の考察まとめ)。
確認できること
- 櫻井里美は別班の司令で、第1シーズンでは乃木のテント潜入作戦の指揮を執っていた
- 第11話でAIハヤトは、黒須の居場所・拉致された別班員の素性・搬送先の病院という三つをすべて知りうる人物として11人を割り出した
- 第14話で、5人を売ったのは野崎だと確定した
- 同じ回で長野利彦は乃木に、たとえ別班同士でも疑えという趣旨のことを述べている
拉致を成立させるのに要る情報
拉致された5人は、テントの捜査に関わっていた別班員でした。ここが肝心です。誰がその任務に就いていたかを知らなければ、狙いを定められません。
必要だった情報を並べます。
- テント潜入作戦に誰が関わっていたか
- その5人がいまどこにいるか
- 負傷者の搬送先の病院はどこか
1は作戦の全体像を知る立場にしか分かりません。指揮を執っていたのは櫻井です。
野崎だけでは足りない部分
野崎は警察の側の人間で、別班の外にいます。第1シーズンでテントを追う過程で乃木と組みましたが、別班の人事や任務の割り振りまで見られる立場ではありません。
もちろん、野崎が内部から情報を得ていた可能性はあります。ただしそれは別班の内側に協力者がいたということでもある。売った人間と、売る材料を渡した人間が別にいることになります。
第14話で野崎は、公安にシンシーの人間を送り込んでいただろうと樊林杏(ハン・リンシン)に確認しました(野崎の動機は劉銘軒(リュウ・ミンシュエン)への弔いなのか)。組織の内側に人を入れる手口が、この作品ではすでに話題に上っています。
なりすましという筋
放送後には、櫻井が拉致されて別人が入れ替わっているのではないかという説が出ています。姿を似せる技術は作中で扱われており、第14話でも遺体の顔をめぐる話が出たばかりです。
この説の利点は、櫻井が自分の意思で裏切ったと考えなくて済むところです。長く別班を率いてきた人物が国を売る動機は、いまのところ見当たりません。
弱いのは声です。姿を似せられても、指揮系統の全員と日常的に言葉を交わす立場の人間が、声で気づかれずに済むのかという問題が残ります。
ただし、この作品は第1シーズンで経歴そのものを書き換えるところまでやりました。丹後隼人という人物を消して乃木憂助を作っています。人を入れ替える手つきについて、この作品は前科があります。
そして偽装が主題になった以上、それを見抜ける人物が一人だけ置かれていることにも意味が出てきます(シンシーの狙いはジャミーンなのか)。顔も声も作り替えられる世界で、直感だけがすり抜ける。
「別班同士でも疑え」は誰に向けた言葉か
長野が第14話で口にしたこの言葉が、ここで生きてきます。
別班は互いの正体を知らされない組織です。長野と乃木も、同じ会社にいながら互いの立場を知りませんでした。その組織で「同士でも疑え」と言うなら、疑いの範囲に司令が入らない理由がありません。
そして長野は同じ口で、乃木にとっての愛する人だけは守るべき対象だという枠をかけています(長野が「愛する人」を繰り返す理由)。疑えと言いながら一か所だけ穴を空ける人物こそ、最初に疑う対象になります。
この説の弱点
- 第14話までに、櫻井の言動へ違和感を持たせる描写がありません。入れ替わりを仕込むなら、後から見返して気づく場面を置くはずです
- 佐野が知っていたことで、上層部の関与はすでに説明が付いています。櫻井まで持ち出すと、裏切り者が増えすぎます
- 声の問題が残ります。姿だけ似せても、司令の立場では日常的に会話が発生します
二つ目がいちばん痛い。説を足すより、いま説明が付いている筋で足りるかを先に見るべきです。
私の結論
私はなりすまし説を採りません。ただし櫻井を白とも置きません。
拉致に必要だった三つの情報のうち、作戦の全体像は別班の内側にしかありません。野崎が外から取れる情報ではない以上、内側の誰かが関わっているか、あるいは上が承知で流したか。後者なら佐野の線で説明が付きます(佐野公安部長は、どこまで知っているのか)。
そして、この作品の作法として、司令はいちばん最後に開ける札です。第1シーズンでは別班の存在そのものが最後まで伏せられていました。櫻井に手を付けるのは、他の札を使い切ったあとになります。
いま櫻井について言えるのは、疑いの対象から外す根拠もないということだけです。
第15話以降で確かめる点
- 櫻井が画面に出るときの撮り方。顔を正面から映さない回が続いたら注意です
- 櫻井と乃木が二人だけで話す場面があるか
- 拉致に必要だった情報の出どころが説明されるか
- 長野が三度目の「愛する人」を言うか
- 第17話で断念を告げ、第19話で乃木に「Fの意見を聞きたい」と言いました。顔を伏せる撮り方は続いていません。
- 第17話で、乃木が櫻井のもとへ行き、別班から参加するのは自分だけだと伝えました。
- 野崎が潜入の材料として別班の情報を渡していました(第16話・第17話)。作戦の全体像の出どころまでは語られていません。
- 三度目を言う場面は確認できていません。
ここまでの整理
- 拉致には作戦の全体像・5人の所在・搬送先の三つが要った
- 作戦の全体像は別班の内側にしかない情報で、指揮を執っていたのは櫻井
- なりすまし説は採らない。違和感を持たせる描写がなく、佐野の線で説明が付く
- ただし白と置く根拠もない
- 長野の別班同士でも疑えは、司令を除外していない
公式で確認する
櫻井司令の出番は第1シーズンの別班側の場面と、第2シーズンの司令部の場面にあります。
放送画面の転載は行っていません。公式ページでご確認ください。
配信情報
第11話の11人の場面
三つの情報を同時に知りうる人物が絞られる数十秒です。誰が入って誰が入っていないかを確かめると読み方が変わります。第1シーズンからの見返しはU-NEXTが見放題に対応しています。
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- 佐野公安部長は、どこまで知っているのか
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- 野崎の動機は劉銘軒への弔いなのか
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参考・出典
- 日曜劇場『VIVANT』公式サイト(登場人物・各話のあらすじ)
- 日曜劇場『VIVANT』第11話・第14話および第1シーズンの放送内容
- なりすましについての指摘は、放送後に視聴者のあいだで共有されていた内容を論点として整理したものです。個別の投稿は転載していません