VIVANT2 / 第17話
第17話は誰が誰を見ていたか
見ているものを見ている目
この記事には広告が含まれる場合があります。
葬儀を遠くから見るチンギス。参列者を撮る男たち。太田に監視を頼む乃木。参拝する薫を見る佐野。そして公安の部屋を盗む鈴木。第17話は、見る場面ばかりが置かれた回でした。
この回に置かれた五つの視線
- ノコルの報告によれば、ベキたちの葬儀で鋭い目つきの男たちが参列者を撮っていた。大人だけでなく子どもまで
- その葬儀を、チンギスが遠くから見ていた
- 乃木は太田梨歩に公安の動きの監視を頼んでいた
- 佐野雄太郎は、神田明神で参拝する薫を見ていた。声はかけていない
- 鈴木祥は公安サイバー対策室と佐野宅を撮り、特定の語が出た会話を保存して送っていた
一つずつなら、どれも物語の都合で置かれた場面に見えます。並べると形が同じです。
見る側が、そのまま見られる側にいる
この回の作りで面白いのは、見る側に立った人物が、同じ回で見られる側にも回っているところです。
乃木は太田に監視を頼みました。その太田の部屋の壁には、小さな穴が抜かれています。頼んだ側が、頼んだ先ごと見られていたのかもしれません。
鈴木は公安の部屋を盗んでいました。その鈴木がジャミーンに指され、逆に見抜かれています。盗む側が、写真一枚で割られた。
この作品は諜報を扱いながら、見る力の優劣ではなく、見る立場の入れ替わりを描いています。第16話で顔が信用できなくなり、第17話で声が信用できなくなった。残っているのは、誰がどこから見ているかという配置だけです。
野崎が最初に確認したこと
捕らえられた野崎が、声を出さずにドラムから聞き出そうとしたのは乃木にゴルバドのことを聞いたか、そして乃木はチンギスに会いに行ったかでした。
ここが引っかかります。監視カメラの死角を選び、口を動かさずに交わせる情報は限られています。その限られた一つに、野崎はチンギスを選びました。
あとでも聞ける話です。それでも最初に確認したということは、そこが自分の仕掛けの成否を決める一点だったことになります。
乃木にチンギスと会えと言ったのは野崎でした(チンギスは第15話でどちらに付くのか)。会えたかどうかは、乃木の安否ではなく、自分が捕まったあとも盤面が動いているかどうかの確認です。
捕まった人間が真っ先に確かめるのが、自分の救出ではなく自分の仕掛けの進み具合。ここまでの野崎の行動と、まったく同じ形です。
太田の部屋の穴
太田の部屋の壁にあった小さな穴について、次の指摘が出ています。
- 穴は小さく、壁の向きが画面の側を向いていない。動向を探るには向きを変えられる小型のカメラが要る
- これまでゴミだらけだった部屋が片付いていた。誰かが入っている
- 入れたのは身近な人間か、清掃業者を装った人物ではないか
これとは別に、第1シーズンで乃木と黒須がナイフを投げた跡だという指摘も同時に出ています。
私はどちらとも決めません。ただし、部屋が片付いていたという一点は拾っておきます。
散らかった部屋を映し続けてきた作品が、その回だけ片付いた部屋を映す。変わったことを見せるための画面です。ナイフ跡の説を採るなら、片付いたことに別の説明が要ります。
そして太田は、乃木から監視を頼まれている人物です。頼まれた側が見られていたなら、乃木の側の動きは筒抜けだった。
私の結論
第17話は、誰が誰を見ているかを並べた回だと考えます。五つの視線が同じ回に置かれたのは偶然ではありません。
そのうえで、この配置が指しているのは一点だと考えます。この物語では、見ている側が必ずどこかで見られている。乃木も鈴木も、同じ回でその両方に立ちました。
だとすれば、まだ見られていない人物が危ないことになります。チンギスは葬儀を遠くから見ていました。この回で、見る側にだけ立って一度も見られていない人物です。
第18話で確かめる点
- チンギスが画面に出るか。出るとすれば、誰の側から映されるか
- 太田の部屋がもう一度映るか。片付いた理由に説明が付くか
- 佐野が薫に声をかけるか
- 葬儀を撮った男たちの所属に触れるか
- 乃木が、自分が見られていることに気づく描写が出るか
- 第18話と第19話で、チンギスの動きは描かれていません。
- 説明はありません。太田は第18話から、東条と組んで国境付近で後方支援に入っています。
- 声をかける場面は出ていません。
- 触れられていません。
- 描かれていないままです。
ここまでの整理
- 第17話には五組の視線が並べて置かれた
- 乃木と鈴木は、同じ回で見る側と見られる側の両方に立っている
- 野崎が最初に確かめたのは自分の救出ではなく、乃木がチンギスに会えたか
- 太田の部屋の穴は決められない。ただし部屋が片付いていたことは残る
- この回で見る側にだけ立っているのはチンギス
公式で確認する
第20話は2026年10月11日(日)21時の放送です。視線の場面は短いので、止めて確かめると追えます。
放送画面の転載は行っていません。公式ページでご確認ください。
配信情報
視線の場面を見返すなら
葬儀の報告も、神社の場面も、数秒で流れます。止めて確かめるなら見逃し配信のTVer、第1シーズンからの通し見はU-NEXTが見放題で対応しています。
関連する記事
参考・出典
- 日曜劇場『VIVANT』公式サイト(各話のあらすじ・登場人物)
- 日曜劇場『VIVANT』第17話(2026年9月6日放送)の内容
- 場面と台詞は、放送後に共有されていた記録を参照して再構成しました。私は映像を再生して細部を確かめていません