新庄浩太郎 / 第14話以降
新庄はこの先、どこへ向かうのか
行き場をなくしどこへ行く
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第13話で新庄(竜星涼)は確保され、尋問を受け、そして拉致事件には無関係だと判明しました。物語の役割を終えたように見えますが、この人物には行き場がありません。行き場がない人物を作品が捨てるとは考えにくく、次の使い道を検討する価値があります。
第18話で、新庄は生きていたと明かされました。乃木が新庄の顔のマスクを作って別の遺体にかぶせる偽装をしており、本人はベトナムで療養したあと、漁師になりすまして武器を運ぶ役で奪還作戦に加わっています。第19話では作戦の1日前倒しに反対しました(新庄は本当に死んだのか)。
第14話で新庄は護送中に撃たれ、死亡が確認されました。ただし日本側は遺体を検視していません。この記事で「尋問した相手を捨てない作品だ」と書いた点は、形を変えて生きています。
生死そのものについては新庄は本当に死んだのかに分けました。
新庄について作中で確認できること
- 警視庁公安部の捜査官でありながら、第1シーズン最終回でテントのモニターだったと判明した
- ベキを脱獄させた
- VIVANT2ではタイに潜伏し、チョッキーの別荘にいた
- 自ら操縦免許を取得しており、プライベートジェットで国外へ出ていた
- 第13話で乃木たちに確保され、尋問を受けた
- 別班拉致事件については無関係だった
疑いは晴れました。ただし罪が消えたわけではありません。
尋問の場で、別班を否定していない
この記事の出発点はここです。尋問を受けている最中の新庄の言葉が、裏切り者のものとしては奇妙でした。
新庄は、別班を誇りに思っていたこと、乃木が別班であると知って嬉しかったこと、そして影の諜報機関は必要だという考えを口にしています。
裏切った側の人間が、裏切った先の組織を肯定している。しかも拷問を受けながらです。強がりで出る言葉ではありません。
つまり新庄が否定したのは別班という組織そのものではない、ということになります。テントのモニターになった理由が別のところにある。この一点で、新庄は野崎とは違う種類の裏切り者だと分かります。野崎は動機を一言も語っていませんが、新庄は語ったうえで理念を共有している。
帰る場所がどこにもない
新庄が置かれている状況を整理します。
- 日本へは戻れない。ベキを脱獄させた罪がある
- テントはない。組織は解体され、ベキは表向き死亡している
- チョッキーの別荘も失われた。匿ってくれる相手がいなくなった
- 別班に確保されているため、身柄は日本側にある
四方が塞がっています。この人物に残っている道は、別班に協力することしかありません。物語の都合ではなく、置かれた条件からそうなります。
作品はこの状況を意図的に作ったはずです。逃がすなら確保させる必要はなく、退場させるなら無関係だと判明させる必要もない。無実にしたうえで行き場を奪うのは、使うための手続きです。
野崎を最も長く見てきた人間
ここが決定的だと考えます。第13話で焦点は野崎に移りましたが、この人物の過去はほとんど描かれていません。
野崎について作中で語られているのは、公安部外事第4課の理事官であること、リュウ・ミンシュエンという後輩を北京で失ったこと、そして第1シーズンでの行動くらいです。経歴も、家族も、公安に入る前も分かっていません。
裏切りの動機を探すなら、野崎の過去を掘るしかありません。ところが乃木は野崎を知りません。第1シーズンで出会ったばかりの相手です。
一方の新庄は公安部で野崎の下にいた人物です。同じ職場で、長く近くにいた。野崎の過去を知る手がかりとして、これ以上の相手はいません。
能力の面でも申し分がない。公安の捜査官として選ばれ、テントの上層部にも食い込んだ。両側を知っている人間は、この作品に他にいません。
この作品は、尋問した相手を捨てない
前例があります。第1シーズンで拷問を受けたアリは、VIVANT2で別班に情報を渡す側に回りました。
アリは二度追い詰められながら生き延び、いまは協力者です(なぜ2度も生き延びたのか)。この作品には、敵だった人物を殺さずに使い続ける型があります。
新庄についても同じ扱いが見えます。尋問は行われましたが、家族に手は出ていません。もし家族が失われていたら、その後の協力という線は成り立ちません。作品が退路を残したという形です。
それでも残る違和感
公平のため、この推測に逆らう材料も置きます。
- 新庄は乃木の手で尋問を受けた。精神的な傷が残っている
- 無実だったにもかかわらず追い詰められた。別班側の誤り
- 匿ってくれていたチョッキーを失った原因も、別班の追跡にある
恨みが動機になる可能性は消えません。ただし、その恨みの向かう先は乃木ではなく野崎になります。新庄をこの状況へ追い込んだのは、免許の件を伏せて捜索を誘導した人物だからです。
敵に回っても味方に回っても、行き先は野崎です。どちらに転んでも同じ相手に向かうように配置されている。ここが巧いところだと考えます。
新庄の行き先を見極めるポイント
判断の分かれ目は身柄の扱いです。拘束されたままなら情報源にとどまり、解放されるなら協力者の線が濃くなります。
第14話では、野崎がたどり着いた先で今作最大の宿敵となる組織の名が明かされます(第14話、番組表に先に出ていた情報)。国外の組織が相手になるなら、テント側の人脈を持つ人物の価値は上がります。
黒須駿はまだ行方が分かっていません。乃木の隣が空いている状態が続くなら、その位置に誰が入るのかという問題にもなります。
新庄の現在地
協力者になる可能性は高いと考えています。理由は5つ。別班を否定していない/帰る場所がない/野崎の過去を知る唯一の人物/両側を知る能力がある/家族が無事で退路が残されている。
ただし作中でそれをうかがわせる場面はまだありません。確定にはほど遠く、私は未確認のままにします。
新庄に残された役割
- 新庄は拉致事件には無関係だった。しかしベキ脱獄の罪は残る
- 尋問の場で別班を誇りに思っていたと語り、影の諜報機関は必要だとも述べている
- 日本にも戻れず、テントもなく、匿う相手も失った。四方が塞がっている
- 野崎の過去を知る手がかりとして、これ以上の人物はいない
- この作品には敵だった人物を殺さずに使う型がある。アリが前例
- 恨みに転んでも、その先は乃木ではなく野崎になる
該当する回を見る
新庄が出てくるのは第1シーズン最終回と、VIVANT2の第12話・第13話です。
画像の転載は行っていません。リンク先でご確認ください。
配信情報
新庄の尋問シーン
別班を誇りに思っていたという言葉は、聞き流しやすい場所に置かれています。第13話は配信で確認できます。第1シーズン全10話とVIVANT2はU-NEXTで見放題配信されています。
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参考・出典
- 日曜劇場『VIVANT』第1シーズン第10話および第12話・第13話の放送内容
- 日曜劇場『VIVANT』公式サイト 各話のあらすじ
尋問の場面の台詞など一部の細部は、放送後に共有されていた記録を参照して再構成したものです。私は映像を再確認していないため、細部の言い回しは実際の放送と異なる場合があります。