佐野雄太郎 / 警視庁公安部部長
佐野雄太郎は何を知っているのか
乃木卓の素性を明かした男
第13話で野崎守が首謀者と判明したあと、次に見るべき人物として佐野公安部長の名が挙がっています。理由は「直属の上司だから」だけではありません。佐野は第1シーズンの時点で、決定的な情報を口にしています。
佐野が明かした一言
第1シーズンで、野崎は乃木の経歴を調査し、京都府舞鶴市の養護施設で少年時代を送っていたこと、そして島根県奥出雲町において乃木家の家紋とテントのマークが酷似していることを確認します。
野崎は公安部長の佐野雄太郎に対し、乃木の父である卓がテントのリーダーであり、組織のマークと乃木家の家紋が類似していると報告しました。これに対して佐野は、乃木卓が公安部外事第1課の出身であると明かします。
この場面の重さは、第2シーズンを見た今のほうがよく分かります。
テロ組織テントの指導者は、元は公安の人間だった。そしてその事実を、公安部長は知っていた。部下から報告を受けるまで、言わなかった。
公安は一度、乃木卓を裏切っている
第1シーズンで、ベキの本当の標的は日本にいる人物でした。内閣官房副長官であり、元公安部外事課の上原です。
整理するとこうなります。
- 乃木卓は公安部外事第1課の出身だった
- ベキとなった卓が復讐の対象としたのは、元公安部外事課の上原だった
- 佐野は卓の素性を知る立場にいた
公安という組織は、乃木卓に対して何かをしている。それが何であれ、卓が生涯をかけて復讐を志すだけのことが起きた。そして佐野は、その系譜の内側にいる公安部長です。
ここが佐野を「単なる上司」以上の存在にしています。
第1シーズンで指摘されている佐野の不可解な指示
放送後、第1シーズンを見返した視聴者から、佐野の行動をめぐる指摘が複数出ています。
- ブルーウォーカーの潜伏先へ新庄が踏み込もうとしたとき、野崎は「待て」と制止していたのに、佐野がGoサインを出した
- 結果として新庄は家宅捜索に失敗した
- 左右両隣の部屋に穴を開けているというカラクリを野崎が見破り、その考えを聞いたにもかかわらず、佐野は再度の突入をさせず解散命令を出した
- バルカから帰国した乃木を尾行する新庄が、乃木に何かを伝えようとしているように見える場面がある
当サイトでは映像を再確認していないため未検証としますが、事実であれば意味は明確です。佐野は太田の確保を二度にわたって妨げたことになります。
そして妨げた相手が、後に別班の情報処理を担うことになるブルーウォーカーでした。
第13話の一瞬 鈴木のイヤモニ
第13話で、野崎が電話で乃木にバンコクへ行くと伝え、佐野部長のいる部屋へ入っていく。そのタイミングで、鈴木祥がイヤモニを装着したという指摘があります。
この細部が正しければ、構図が反転します。
これまで公安内部の役柄非公開の面々は、野崎の駒だと考えられてきました。第11話で乃木の自宅を張っていたのが和久井俊作と森田喜一であり、櫻井司令が「野崎が警護をつけたのだろう」と推察していたためです。
しかし鈴木が野崎の入室に合わせて聞き耳を立てたのなら、監視されているのは野崎の側ということになります。
そして鈴木に指示を出せる立場にいるのは、その部屋にいる佐野です。
佐野の位置を4つで整理する
以前に3つの可能性を挙げましたが、確定情報を踏まえて4つ目を加えます。
| 読み | 成立条件と難点 |
|---|---|
| 知らなかった | 部下が別班潰しを主導していたことに気づかない公安部長になる。卓の素性を把握していた人物としては考えにくい |
| 泳がせていた | 接触先や資金ルートを追うため。鈴木のイヤモニと整合する |
| 野崎と同じ側 | 別班潰しが公安の組織的意思だったという読み。ただし佐野が野崎を監視しているなら成立しない |
| 乃木卓への負い目で動いている | 公安が裏切った男の息子を、公安部長として見ている。第1シーズンでの佐野の不可解な指示も、乃木側を守る動きとして読み直せる |
4つ目を推す理由
佐野は、野崎に問われるまで卓の素性を言いませんでした。これは隠蔽とも読めますが、触れたくなかったとも読めます。
公安部外事第1課出身の人間が、国際テロ組織の指導者になった。組織にとっては最大級の汚点です。しかも復讐の相手は元公安の高官でした。この事実を知る立場にいる人間が、その息子である乃木の周囲で起きることに無関心でいられるとは考えにくい。
第1シーズンで佐野が太田の確保を妨げたのが事実なら、動機は「公安に太田を取らせないため」だった可能性があります。太田は後に乃木の側で働く人物です。
そして第13話で野崎を監視しているのが事実なら、佐野は野崎の裏切りを既に把握している。乃木を守るために、乃木に近い人間を疑っている。
検証できる形にすると
この読みは、次の形で答え合わせができます。
- 第14話以降、佐野が乃木と直接接触するか。するなら味方側
- 鈴木・和久井・森田が誰の指示で動いているかが示されるか
- 乃木卓と公安の過去が改めて描かれるか。若き日の卓を演じる俳優が出演する以上、過去パートは描かれる見込み
佐野は歌舞伎俳優の坂東彌十郎が演じています。この配役で、部下の裏切りに気づかなかっただけの上司という役割は考えにくい。物語の後半で、佐野が何を知っていたかが明かされる場面は用意されているはずです。
配信情報
第1シーズンの佐野の場面を見返す
卓が公安部外事1課の出身だと明かす場面は、第1シーズンの終盤にあります。第1シーズン全10話と第2シーズンはU-NEXTで見放題配信されています。
出典
- 日曜劇場『VIVANT』第1シーズン・第2シーズン第11話〜第13話の放送内容
- 日曜劇場『VIVANT』公式サイト 登場人物
- 第1シーズンの佐野の指示および第13話の鈴木の描写に関する記述は、SNS上で共有されていた指摘を論点として再構成したもの。個別の投稿は転載しておらず、当サイトでは映像を再確認していないため未検証として扱う